コラム
毎朝、複数のECモール管理画面を開き、注文確認と在庫調整をするうちに午前中が終わってしまう…。
そんなEC運営の忙しさに心当たりはないでしょうか。EC市場は拡大を続けていますが、その分、モールごとの「管理画面の操作」や「在庫管理」「商品登録」など、対応すべき業務は増える一方です。手作業に頼った運用では、顧客からの信頼低下を引き起こす「在庫の売り越し」や「誤出荷」などのミスが起こりやすく、ショップ評価の低下に繋がります。いまや自動化は「楽をするための手段」ではなく、少人数で安定した運営を続けるための現実的な選択肢です。
本記事では、月商や事業フェーズに応じて、どこから自動化を進めるべきかを丁寧に解説します。
ECサイトの自動化は、月商や運用体制に合った手法を選ぶことが重要です。ここでは、EC運営を3つのレベルに分けて整理します。
まずは「開業初期~月商100万円未満」「スタッフ1~2名」の規模を想定します。受注件数は「1日数十件」ほどですが、手作業の転記や集計に時間がかかりやすい段階です。
このフェーズでは、以下の取り組みが有効です。
取り組み例
この段階では、高額なシステム投資は不要であり、Excel・スプレッドシートの範囲で業務を効率的に回す仕組みづくりが重要です。
次に想定するのは「月商数百万円規模」で、楽天・Amazon・自社サイトなど複数モールを運営する段階です。店舗数が増えるにつれ、「在庫ズレ確認」や「管理画面の切替」が負担になります。
そのため、以下の対応が必要になります。
取り組み例
ここで初めて、「ネクストエンジン」や「CROSSMALL」などの一元管理システムを導入し、在庫と受注の管理を集約します。管理の一本化により、売り越し防止や日々の運用負担を軽減できます。
最後に月商1000万円を超え、「スタッフ数が増え始める」フェーズです。一元管理システムを導入していても、「管理画面をまたぐ転記作業」や「商品登録に伴う入力作業」などの手間が残ります。
この場合は以下の取り組みが有効です。
取り組み例
RPAとは、人がパソコンで行う操作を代行するソフトウェアロボットです。RPAと生成AIの組み合わせにより、人手が必要な手作業を軽減できます。
次の章から、Lv.1〜Lv.3それぞれの内容を詳しく見ていきます。
EC自動化を進めるうえで、最初に固めるべきなのがLv.1とLv.2の土台です。既存ツールと一元管理システムを活用し、「安定して回る仕組み」を作ります。
自動化以前に多い落とし穴が、業務の属人化です。「この作業は店長しか分からない」状態は危険であり、業務フローを標準化し、誰でも取り組める仕組みが必要です。
標準化の取り組み例
自動化の前に誰がやっても同じ結果になるよう業務ルールを統一しましょう。この過程では「CSVのデータ加工」などに、Excelマクロを使うことで、月20時間程度の削減につながるケースもあります。
店舗数が増えた段階では、一元管理システム導入が有効です。最大のメリットは、在庫の自動連動により「売り越し」を防ぎ、受注管理を集約できることです。また、サンクスメールの一括送付などの機能も活用できます。
一方で、以下のように一元管理システムではできないこともあります。
できないこと
一元管理システムは多くの業務を効率化できますが、例外対応や細かな調整は手作業として残ります。こうした業務負担が限界に近づいたときが、Lv.3の自動化へ進む判断タイミングです。
「一元管理システム」で残った手作業の解消には、「RPA」と「生成AI」が有効です。本章ではそれぞれの特徴と活用方法を解説します。
RPAとは、パソコン上のマウス操作やキーボード入力を、人の代わりに実行するロボット技術です。クラウド型RPAのCoopelでは、以下のようにブロックを組み立てる感覚でプログラミングを使わずに自動化シナリオを作成します。
EC業務は、管理画面へのログインやクリック、入力作業など、ブラウザ操作が中心になります。そのため、画面操作を再現できるRPAとの相性が抜群です。

RPAが担える業務例
RPAの活用により、一元管理システムで残った「手作業」を無理なく自動化できます。
EC担当者が時間を取られやすい業務が、商品登録に伴う「ささげ業務」です。「スペック入力」「商品の説明文」「画像加工」などは作業量が多く、属人化しやすいのが特徴です。こうした文章作成を含む作業は、生成AIとの相性が良い業務のひとつです。
実際に、生成AIを使って商品説明文を自動生成している様子をご紹介します。このようにAIを活用することで、文章作成の工程を効率化できます。

さらに、以下のようなRPAと生成AIの組み合わせにより、大幅な省力化が可能です。
自動化の流れ
この仕組みを使えば、人が行う作業は「最終確認と微調整」のみです。これまで1商品あたり20分かかっていた作業が、確認中心の数分で済むケースもあります。結果として商品登録にかかる工数を大幅に削減できるでしょう。
RPAを導入すると、EC現場の業務はどのように変わるのでしょうか。ここでは、実際の導入事例をもとに、業務別のBefore / Afterを紹介します。日々の作業がどう効率化されるのか、具体的なイメージを掴んでください。
株式会社TIC様では、複数のECモールから届く注文情報を、人の手で確認・転記していました。毎朝モールごとに管理画面や受注メールを確認しながら、注文内容をシステムへ入力します。繁忙期には月間3,000件ほどの注文が発生し、処理が追い付かず土日出勤を行い、入力ミスが起こりやすい状態でした。
そこでCoopelを導入し、以下のルーティーン業務を自動化しました。
自動化した内容
その結果、月間で約200時間分の作業削減を実現。土日の対応も不要になり、入力ミスは大幅に減少しました。担当者は例外対応の確認だけに集中できるようになり、現場の負担が大きく軽減されています。
全国の食品生産者の支援を行う生産者直売のれん会様では、複数のPOSレジやECサイトから売上・請求データを手作業で収集し、整理していました。複数サイトからの売上情報の収集や帳票処理は時間がかかり、定型業務の負担が課題となります。
そこでCoopelを導入し、帳票処理を以下のように自動化しています。
自動化した内容
これにより、担当者は確認作業に集中できるようになり、月間216時間に及ぶ工数削減と安定した帳票管理を実現しています。
さらに、同社では、自動化の対象としてメルマガ作成・配信にも取り組んでいます。メルマガ作成にあたり、内容確認、HTMLメールの作成、画像加工や差し込み作業に時間がかかっていました。
そこでCoopelを活用し、以下の工程を自動化しています。
自動化した内容
これにより、メールマガジン作成にかかる工数を削減。 属人化を防ぎつつ、安定した配信体制を構築しています。
EC自動化は、やり方を間違えると「高いツールを入れただけ」で終わってしまいます。ここでは、失敗しやすいポイントを踏まえて、導入時に押さえておきたい3つの鉄則を整理します。
最初から「複雑な条件分岐」を含む自動化を目指すと、挫折しがちです。まずは、小さく始めて効果を確認しましょう。
ポイント
自動化は、いきなり広範囲に取り組むのではなく、対象業務を絞って無理のない範囲から始めましょう。あわせて、月額1万円台から導入できるクラウド型ツールを選べば、費用面の負担も抑えつつスモールスタートが可能です。
自動化は、現場が納得していなければ定着しません。「仕事が奪われる」「新しく覚えるのが面倒」などの不安を解消するためにも、現場スタッフと共同で取り組みましょう。
伝えるべき視点
目的の共有により、スタッフの協力を得やすくなります。
ECモールの管理画面は、頻繁に仕様やデザインが変わります。そのため、以下の特徴をもつツールの選定により、運用コストの抑制が重要です。
変化に対応しやすいツールの特徴
長く使い続けるためには、変化に強いツールの選定が重要です。これらの特徴を満たす、ノーコード・クラウド型のRPAツールがおすすめです。Coopelは、専門知識が不要で、月額12,800円から始められるクラウド型RPAツールです。
まずは30日間の無料トライアルを活用して、EC業務をどこまで自動化できるか試してみてください。
EC自動化の目的は、単なる業務効率化ではなく、「顧客満足度を高め、売上を最大化すること」です。
自動化によって生まれた時間は、以下のような「人にしかできない仕事」に使うことで、価値を発揮します。
定型作業はツールに任せ、人は判断が求められる仕事に集中する、この役割分担こそが、これからのEC運営において欠かせない視点です。