コラム
毎日のデータ入力やExcelへのコピペ作業に「誰か代わりにやってくれたら…」と思うことはありませんか? 請求書作成やレポート集計など、日常的な単純作業に時間を取られ、本当にやるべき仕事に手が回らないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな悩みを解決する「RPA」の基本から、専門知識がなくても今日から始められる具体的なステップまでをわかりやすく解説します。あなたが毎日行っている面倒な作業は、優秀なロボットに一任できるかもしれません。
【目次】
RPA(Robotic Process Automation)とは、人間がパソコン上で行っている定型的な業務を、ソフトウェアロボットが代わりに自動実行する技術です。RPAは、人間がキーボードやマウスを使って行う操作(データ入力、コピー&ペースト、システム間のデータ転記など)を記録し、その手順をロボットに学習させることで動作します。一度設定すれば、ロボットは人間と同じようにアプリケーションを操作し、反復的な作業を自動的に処理します。
RPAは優秀なアシスタントですが、どんな作業も万能にこなせるわけではありません。以下を参考にRPAの「向き」と「不向き」を理解し、うまく使い分けることが大切です。
| RPAに向いている業務 | 例 |
| ルールが決まっている単純な繰り返し作業 | 決まったルールに則ってデータを入力する |
| 複数のアプリケーションをまたいだ作業 | Webサイトの情報をExcelに転記し、その内容をメールで送信する |
| 大量のデータを扱う作業 | 数万件の売り上げデータを一定の基準に従って処理する |
| RPAに向いていない業務 | 例 |
| 人の「判断」が必要な作業 | デザインを確認し良し悪しを判断する |
| ルールが頻繁に変わる作業 | 法改正や規定変更が多い申請関連の処理 |
RPAとExcelマクロは、どちらも業務を自動化するツールですが、適用範囲や仕組みに大きな違いがあります。
Excelマクロは、Excel内の操作に特化した自動化ツールです。セルの計算、データの整形、グラフ作成など、Excelファイル内で完結する作業を自動化できますが、Excel以外のアプリケーションを操作することはできません。一方、RPAは複数のアプリケーションやシステムをまたいで操作できる点が最大の特徴です。Excel、メールソフト、Webブラウザ、業務システムなど、パソコン上のあらゆる操作を連携させながら自動化できます。
操作方法にも違いがあります。Excelマクロは、VBAというプログラミング言語でコードを記述する必要があり、一定のプログラミング知識が求められます。対してRPAは、多くの製品で「レコーディング機能」を搭載しており、人間の操作を記録するだけで自動化できるため、プログラミング知識がなくても導入可能です。
具体的な使い分けとしては、売上データの集計や複雑な計算式の一括適用、定型フォーマットへのデータ整形といったExcel内で完結する作業にはExcelマクロが適しています。一方、複数システムからデータを取得してExcelに転記する、Excelデータを基に自動でメール送信する、Webサイトから情報を収集してExcelに記録するといった、複数のアプリケーションにまたがる業務にはRPAが適しています。RPAはExcelマクロの上位互換ではなく、業務の範囲や複雑さに応じて使い分けることが重要です。
RPAは様々な業界・部門で活用されており、業務効率化や生産性向上に大きな成果を上げています。ここでは、実際にRPAが導入されている具体的な事例を紹介します。どのような業務がどう変わったのか、導入前後でどれだけの効果が得られたのかを知ることで、自社での活用イメージを膨らませてください。
全社的に業務効率化の必要性が高まるなか、グループごとに非効率な業務の洗い出しと改善が求められていました。特にルーティン作業が多い経理業務は「人が対応すべき業務」と「人でなくても対応可能な業務」が混在していますが、人がやる必要のない単純業務に多くの時間が割かれており、担当者は「仕事をしたつもり」になってしまう状況をなくしたいと考えていました。
Coopelによる自動化で月間40時間もの工数削減を実現できました。週300件ほど発生していた決済の消込作業はボタン一つで完結できるようになり、明細や請求、決済処理など各種データの取得も自動化して手作業を大幅に削減できています。問い合わせ対応においても、Coopelが必要な情報を自動取得してSlackに通知する仕組みを構築し、基幹システムをこまめに確認する手間がなくなりました。
これまでは、複数のECモールから届く注文情報を、人の手で確認・転記していました。毎朝モールごとに管理画面や受注メールを確認しながら、注文内容をシステムへ入力します。繁忙期には月間3,000件ほどの注文が発生し、処理が追い付かず土日出勤を行い、入力ミスが起こりやすい状態でした。
月間で約200時間分の作業削減を実現。土日の対応も不要になり、入力ミスは大幅に減少しました。担当者は例外対応の確認だけに集中できるようになり、現場の負担が大きく軽減されています。
▶株式会社TICの事例を見る
広告運用を行うコンサルタントのアシスタント業務において、朝の忙しい時間帯に複数のルーティン作業が集中していました。1つの作業は数分で完了するが、これが積み重なると時間と手間がかかるうえ、コンサルタントからの突発的な依頼が入った場合には作業が後回しになってしまうことに課題を感じていました。
Coopelによって毎朝のレポート業務を自動化した結果、アシスタント全体で1日あたり約180分もの時間削減につながりました。従来はアシスタント1人あたり毎朝30分、CSVのダウンロードやデータ貼り付けなどの単純作業に時間を費やしていたが、現在はCoopelのロボット実行により工数がゼロになっています。浮いた時間は付加価値の高い業務に活用できるようになり、クライアントへの提供価値の向上に寄与しています。
RPAツールはたくさんありますが、中小企業には大企業と違う選び方の基準があります。ここではRPA導入を検討している中小企業に向けて、“失敗しないツール選びのポイント”を3つご紹介します。
RPA製品には、導入形態によって「クラウド型」「デスクトップ型」「サーバー型」の3つのタイプがあり、それぞれ特徴が異なります。
クラウド型RPA
インターネット経由でサーバー上のロボットを利用する形態です。初期投資が少なく、導入スピードが早いことが特徴です。また、複数の拠点で同時に利用できるため、スケーラビリティにも優れています。
デスクトップ型RPA
個々のパソコンにインストールして使用する形態です。小規模な業務や部門単位での利用に向いています。ただし、1ライセンスを全社展開する場合、同時利用は制限されることが多いです。
サーバー型RPA
自社のサーバーにRPAシステムを構築する形態です。セキュリティ要件が厳しい企業や、外部ネットワークに接続できない環境での利用に適していますが、初期投資が高額になり、サーバーの管理や保守を自社で行う必要があります。
| タイプ | 概要 | メリット | デメリット |
| クラウド型 | Webブラウザやクラウド上で動作 | ・導入スピードが速い ・複数拠点、複数ユーザーでロボットを共有/連携可能 | ・インターネット接続が必須 |
| デスクトップ型 | ソフトをPCにインストールして使う | ・オフライン環境でも動作可能 | ・PCが起動していないとロボットが止まる ・管理/運用の負荷は個々のPCに依存する |
| サーバー型 | 社内サーバー上で集中管理/実行 | ・実行状況やログを集中管理 ・スケジュール実行や同時並行処理に強い | ・導入コストが高く、初期設定の難易度が高め ・小規模な単発作業にはやや過剰 |
現在はクラウド型が主流となっています。その理由は、初期投資を抑えながら迅速に導入でき、リモートワークの普及により場所を問わずアクセスできる利便性が重視されるようになったためです。また、クラウド型は常に最新バージョンに自動アップデートされるため、機能改善やセキュリティパッチの適用が容易で、運用負荷が低いという点も選ばれる大きな要因となっています。
RPAツールによって求められるプログラミング知識のレベルが大きく異なるため、自社の人材スキルや運用体制に合わせた選択が必要です。
ノーコード型のRPAツールは、プログラミング知識がなくても操作できるよう設計されています。マウス操作で部品をドラッグ&ドロップしたり、画面上の操作を記録するレコーディング機能を使ったりすることで、視覚的に自動化フローを作成できます。現場の業務担当者が自ら自動化を進められるため、IT部門への依存を減らし、迅速な導入が可能になります。
一方、ローコード型やコーディング型のRPAツールは、基本的な操作はノーコードで行えるものの、複雑な条件分岐や例外処理、データ加工などを実装する際にはプログラミング知識が求められます。PythonやJavaScriptなどのスクリプト言語を使用できることで、より高度で柔軟な自動化が実現できますが、開発には一定のスキルを持った人材が必要です。
ツール選定時には、自社の人材スキルと自動化したい業務の複雑さのバランスを考慮することが重要です。
RPAツールの選定では、無料トライアルの有無やサポート体制の充実度も重要な判断基準となります。実際に使ってみなければ分からない操作性や自社業務との相性があるため、導入前の検証は欠かせません。多くのRPAベンダーは、2週間から1か月間程度の無料トライアル期間を提供しています。
この期間を活用することで、実際の業務フローでツールが問題なく動作するか、現場担当者が使いこなせるかを確認できます。また、既存システムとの連携や処理速度、エラー発生時の挙動なども事前に把握できるため、導入後のミスマッチを防ぐことができます。無料トライアルがない場合でも、デモ環境の提供や概念実証(PoC)の機会があるかを確認するとよいでしょう。
また、サポート体制も導入成功の鍵を握ります。RPA導入初期は、ロボットの作成方法やエラー対応で疑問が生じやすく、日本語でのサポートが受けられるか、電話・メール・チャットなど複数の問い合わせ手段が用意されているか、対応時間は業務時間内をカバーしているか、などを確認しましょう。さらに、導入支援プログラムやトレーニング、ユーザーコミュニティの有無も重要です。特に初めてRPAを導入する企業にとっては、ベンダーによる伴走型のサポートがあることで、スムーズな立ち上げと定着が期待できます。費用だけでなく、導入後の運用まで見据えたサポート体制の充実度を比較検討することが、RPA活用の成否を分けるポイントとなります。
RPAの導入は難しく考える必要はありません。
たった3ステップで、あなたも今日から業務自動化を始められます。
RPA導入を成功させるためには、最初から大規模な自動化を目指すのではなく、小さく始めることが重要です。まずは自動化する業務を1つに絞り込みましょう。
選ぶべき業務の基準は以下の通りです。
最初の1つは、できるだけシンプルで成功しやすいものを選ぶことがポイントです。小さな成功体験を積むことで、現場の理解と協力を得やすくなり、次の自動化へとスムーズに展開できます。
自動化したい業務が決まったら、複数のRPAツールの無料トライアルに申し込みましょう。この期間を活用して実際にツールを触り、操作性や機能を比較します。申し込み時には、自社の業務内容や自動化したい作業を伝えることで、ベンダーから適切なサポートや提案を受けられることもあります。また、トライアル期間中にベンダーの対応スピードやサポートの質を確認することも重要です。問い合わせへの返答が迅速か、技術的な質問に的確に答えてくれるかなど、導入後の運用を見据えた視点で評価しましょう。複数のツールを試すことで、自社に最も適した製品を見極めることができます。
無料期間中は「必ず1日1時間はRPAツールに触る時間を作る」などを決めておくと、あまり触れられずに時間だけが経ってしまった、ということが防げ、計画的にツールを比較することができます。
無料トライアル期間中に、STEP1で決めた業務の自動化ロボットを実際に作成してみましょう。最初はチュートリアルやサンプルシナリオを参考にしながら、基本的な操作に慣れることから始めます。レコーディング機能があるツールであれば、自分が普段行っている作業をそのまま記録させることで、簡単にロボットの骨組みを作ることができます。その後、条件分岐やエラー処理を追加し、実際の業務で使えるレベルまで仕上げていきます。この段階で重要なのは、完璧を目指さないことです。まずは動くものを作り、実際に業務で試してみることで、改善点や追加すべき機能が見えてきます。また、作成過程でつまずいた点や疑問点をメモしておき、ベンダーのサポートに問い合わせることで、そのツールのサポート品質も確認できます。この実践的な経験が、本格導入時の貴重なノウハウとなります。
RPAはもはや大企業だけのものではなく、日々の単純作業に追われている中小企業こそ活用すべきツールです。導入する際は「価格」「使いやすさ」「手軽さ」の観点から、現場の誰もが操作できるツールを選ぶことが、自社の業務改善を成功に導く鍵となります。毎日の繰り返し作業から解放されれば、あなたはもっと創造的で、価値のある仕事に時間を使えるようになります。まずは30日間の無料トライアルで、RPAがもたらす変化を体験してみてください。