RPAって何? series 1/7

RPAとは?(超基本編)

第1回として、まずはRPAの主な機能、種類、導入方法について簡単に解説します。 今後、より発展的、実用的なノウハウを連載していく予定です。
大脇 智洋(DeNAのRPAマスター)
大脇 智洋(DeNAのRPAマスター)
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RPAとは

  • ホワイトカラーのPCを使った作業を自動的に行うソフトウェアやサービスのこと。
  • 人手不足を解消する目的や単純作業を減らす目的で、ルーチンとなっている作業をロボットに代替させる。

RPAの主な機能

作業手順の記録・作成

1作業手順の記録・作成

自動化したい業務の作業手順(=シナリオ)を作成する、記録する。

作業手順実行

2作業手順実行

ロボットにシナリオを実行させる。

管理共有

3管理共有

ロボットやシナリオを管理する。シナリオを複数の人で共有したり、ロボットがシナリオを実行する時間を管理する。

RPAの主な種類

サーバ型RPA

個々のロボットをサーバで集中管理します。ロボットやシナリオの管理が可能です。導入コストが高くなるケースもあります。

  • PCが起動していなくても動作可能
  • サーバーで集中管理
サーバ型RPA

クライアント型RPA

個々のロボットをクライアントPC上で動作させます。ユーザはシナリオを自由に作成できます。

  • サーバー不要
  • クライアントPCでロボットを実行できる
サーバ型RPA

以前のRPAはクライアント型とサーバー型の2種類でしたが、2018年頃からクラウド型の製品も登場しています。クラウド型の場合、自社でサーバーを用意する必要がありません。クラウド型は最近のトレンドで、もともとサーバー型の製品を提供している大手RPAベンダーからもクラウド型の新製品が相次いで発表されています。

クラウド型RPA

サーバーなどのインフラを用意する必要がありません。そのままでは社内ネットワークにあるシステムの作業を実行できません。(VPN等を利用すれば実行可能)

  • サーバー不要
  • 社内ネットワークにあるシステムの作業については、VPN等の対応が必要
クラウド型RPA

RPAツールの選定

RPAのツールによって、ロボット作成に求められるスキルが変わるので、導入にあたっては、ロボット開発の体制や管理方法を検討し、最適なツールを選択する必要があります。

RPAツール選定の観点

  • 誰がロボットに動作させるシナリオを作るのか(ユーザ部門 or IT/統括部門等)
  • ロボットやシナリオの管理方法(ユーザ部門 or IT/統括部門等)
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 前述の観点で、RPAツールの候補を絞り込んだ後、最終決定(契約)の前に、主要な社内システムでそのRPAで開発したロボットが動作するか検証することをお勧めします。というのも、システムとの相性によってはロボットが動作しないケースがあるからです。
 例えば、RPAツールを購入した後に、開発したロボットが社内の会計システムでは動作しなかった場合、会計領域の業務の効率化には全く役に立たない、ということになります。そういったリスクを回避するため、多くのRPAベンダーではトライアル用に一定期間無償で利用できるライセンスを提供していますので、それを活用して主要な社内システムで動作検証するのがよいでしょう。次回(第2回)は、「RPAの上手な使い方」について解説していきます。

次回(第2回)は、「RPAの上手な使い方」について解説していきます。

大脇 智洋(DeNAのRPAマスター) 株式会社ディー・エヌ・エー IT戦略部 部長

大脇 智洋(DeNAのRPAマスター) 株式会社ディー・エヌ・エー IT戦略部 部長

新卒でSIerに入社し、システムの開発・運用を経験。
2006年より会計系コンサルファームにて、J-SOX導入支援や業務改革などのプロジェクトに従事。2012年よりDeNAにて、グローバル経営管理基盤の統一、「Slack」の全社展開、「RPA」を活用した業務改善のプロジェクトなどを担当。RPA関連のイベントにおいてユーザー企業の立場から事例紹介する活動も行っている。