コラム
少子高齢化による労働力人口の減少は慢性的な人手不足を招き、「求人を出しても応募が来ない」「採用コストをかけても成果が出ない」といった悩みを抱える企業も少なくありません。こうした状況下では多くの企業が「人手不足=人を採用しなければならない」と考えがちですが、人口減少が加速する日本において、中小企業が「人の奪い合い」で勝ち続けるのは年々困難となっています。
そこで重要となるのが、「人を増やす」ではなく「仕事を減らす」という発想です。業務を自動化することで、限られた人員でも無理なく仕事を回せるようになり、採用に依存しない業務体制の構築につなげられます。
この記事では、公的データをもとに人手不足の現状を整理し、採用に代わる現実的な解決策である「業務自動化(RPA)」のメリットをわかりやすく解説します。
【目次】
多くの企業が人手不足を感じているものの、「景気が回復すれば改善するのでは」と楽観視しているケースも少なくありません。
しかし、現在の人手不足は一時的なものではなく、日本の人口構造そのものに起因する問題といえます。ここでは公的データを参考に、人手不足の現状とそれに起因するリスクについて解説します。
厚生労働省の調査によると、有効求人倍率は2014年以降1倍を上回る水準で推移しており、求職者よりも求人のほうが多い状態が続いています。

生産年齢人口(15〜64歳)の推移を見ると、1995年の8,726万人をピークに減り続けており、将来にかけても減少傾向が続くと予測されています。つまり、日本では「働く人」そのものが物理的に減っている状況にあります。

高齢者人口がピークに達し、労働力不足が致命的になる「2040年問題」も指摘されるなか、今起きている人手不足は一時的なものではなく、今後さらに深刻化していく「不可逆な変化」であるといえます。
帝国データバンクの調査によると、人手不足に起因する「人手不足倒産」は年々増加しています。その件数は2025年に初めて400件を超え、3年連続で過去最多を更新しました。
| 年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 |
| 倒産件数 | 111件 | 140件 | 260件 | 342件 | 427件 |
参照:人手不足倒産の動向調査(2025年)|株式会社帝国データバンク
「倒産」と言うと大げさに聞こえるかもしれませんが、「あの人しかできない業務」を抱えた担当者が退職すると、請求処理や入金消込などの重要業務が止まってしまうリスクがあります。こうした業務の遅れはキャッシュフローの悪化につながり、場合によっては利益が出ていても資金不足で経営が行き詰まる、いわゆる「黒字倒産」を引き起こす可能性も否定できません。
採用市場では企業間の格差が拡大し、中小企業の勝ち目は薄いと言わざるを得ません。大企業は賃上げや福利厚生で人材を確保しやすい一方、中小企業は体力的に厳しく、同じ条件で競争することは容易ではないからです。そのため、中小企業にとっては「人を増やす」ことよりも、限られた人員でも業務を回せる仕組みをつくることが重要になってくるのです。
人手不足への対策を考える際は、「人を増やす=採用」のみに固執せず、それ以外の選択肢と比較しながら最適なアプローチを検討することが重要です。
ここでは、「採用」「多様な人材活用」「業務自動化」という3つの解決策を、コスト・難易度・リスクの観点から比較し、中小企業が選ぶべき最適解をご紹介します。
人手不足への主な対策には、次の3つのアプローチがあります。
案1:採用強化(賃上げ・福利厚生)
案2:多様な人材活用(シニア・外国人・アウトソーシング)
案3:業務自動化(ITツール・RPA)
それぞれの特徴を比較すると下表のようになります。
| ①採用強化 | ②多様な人材活用 | ③業務自動化 | |
| コスト | 高(固定費増) | 中 | 低(月額数千円〜) |
| 難易度 | 高(市場競争激化) | 中 | 低(ノーコード可) |
| リスク | 採用ミスマッチ、早期離職 | 教育・マネジメント工数の増大 | 人的リスクなし(辞めない、ミスがない) |
採用強化は即効性がある一方で、固定費の増加や採用難易度の高さが課題となり、ミスマッチや早期離職のリスクも伴います。多様な人材活用はコストを抑えられる可能性がありますが、教育やマネジメントの負担が増え、社内体制の整備に手間がかかります。
一方、業務自動化は比較的低コストで導入でき、人的リスクも小さい点が特徴です。専門知識が不要のノーコードRPAなら現場の担当者でも操作できるため、人を増やさずとも効率的に業務を回せるようになります。さらに、ロボットは24時間365日稼働し、退職することもありません。人を増やすことが難しい時代だからこそ、業務そのものを減らす(自動化する)という発想が、中小企業にとっての現実的な人手不足対策となるでしょう。
業務自動化に興味はあっても、「IT人材がいないから難しい」と感じている企業も多いのではないでしょうか。
しかし実際には、エンジニアなどのIT人材が不在でも自動化を進めることは可能です。具体的にどのように取り組むのか、中小企業が業務自動化を成功させるためのステップをご紹介します。
業務自動化を進める際はいきなりツールを導入するのではなく、まず「誰が」「何を」しているかを可視化することが重要です。そのうえで「仕分け」を行い、定型業務など自動化に適した業務を抽出していきます。
業務を仕分けする際は、次の3つのポイントが判断基準になります。
1. ルールが決まっているか?(判断が不要)
2. 繰り返し発生するか?(毎日・毎週・毎月など)
3. PCだけで完結するか?(Excel・ブラウザ・メールなど)
3つすべてに当てはまる業務は、今すぐロボットに任せられます。例えば、データ入力や集計作業、レポート作成などが該当しやすく、これらはRPAによる自動化と相性が良い業務といえます。
業務自動化でよくある失敗パターンは、一気に全業務を自動化しようとすることです。これは現場の反発も招きやすく、導入のハードルを必要以上に高くしてしまいます。
重要なのは、1つのシンプルな業務から始め、小さな成功体験を積み重ねることです。例えば「交通費精算チェック」「営業リストの作成」などの自動化に成功すると、現場の理解も進みやすくなり、「あれもできるかも?」と自然とアイデアが出てくるようになります。
業務自動化を成功させるには、現場主導による運用体制の整備が欠かせません。現場の業務を最も理解している担当者が関わることで、実際の業務フローに即した、使いやすい仕組みを構築しやすくなります。
特に、IT人材が不足している中小企業では、エンジニアがいなくても使えるツールを選ぶことが重要です。プログラミング知識がなくても操作できるノーコードRPAなら、現場の担当者でも簡単に自動化を進められ、現場主導による業務改善を実現できます。
人手不足が続くなかでも、社員数を増やさずに売上を伸ばしている中小企業は少なくありません。
ここでは、RPAツール「Coopel」を活用し成果を上げている企業の事例をご紹介します。
【課題】
広告代理店・Webマーケティング企業で多いレポーティング業務は、朝の時間帯に行うアシスタントのルーティン作業として集中しており、コンサルタントから突発的な依頼が入ると作業が後回しになってしまっていた。一つひとつの作業は数分で終わるものの、数が積み重なると時間と手間がかかり、アシスタント全員が負担を感じていた。
【対策】
Coopel を導入し、ECサイトから商品情報を取得→商品名リストを自動作成する仕組みを構築。さらにSlackへの通知機能を利用し、作業完了の確認やコンサルタントへの報告も自動化した。
【成果】
毎朝のレポーティング業務を自動化したことで、これまで1人あたり30分かかっていた作業工数が一切かからなくなり、アシスタント全体で1日あたり180分もの業務時間削減に成功。浮いた時間はレポートの品質チェックやコンサルタントの業務サポートなど、より付加価値の高い業務に充てられるようになった。
【課題】
廃棄物回収・リサイクル業における廃棄物管理のマニフェストデータについて、CSVで出力した収集実績を管理会社のシステムへ1件ずつ手入力する必要があり、大きな業務負担となっていた。入力作業は1日分で約1時間半かかり、週明けには土日分も含めて約4時間半の作業が発生していた。
【対策】
Coopelを導入し、CSVデータの内容をマニフェスト管理システムへ自動入力する仕組みを構築。これまで手作業で行っていた入力業務を自動化した。
【成果】
毎日約1時間半かかっていたデータ入力業務を完全自動化することができた。これにより従業員の作業負担が大幅に削減され、単純な入力作業ではなく人間が対応すべき仕事に多くの時間を使えるようになった。
人手不足は構造的な問題であり、採用だけで解決するのは困難です。これからは「人(採用)」から「ロボット(自動化)」へ投資を切り替え、人を増やさずに生産性を高める取り組みが求められます。
自社にIT人材がいなくても、ノーコードRPA「Coopel」なら現場主導で業務自動化を始められます。まずは1か月、ロボットを雇う感覚で自動化の効果を体感してみてください。