RPAって何?

2025年7月23日

RPAの種類と選定方法を解説

第1回として、まずはRPAの主な機能、種類、導入方法について簡単に解説します。 今後、より発展的、実用的なノウハウを連載していく予定です。

RPAとは

  • ホワイトカラーのPCを使った作業を自動的に行うソフトウェアやサービスのこと。
  • 人手不足を解消する目的や単純作業を減らす目的で、ルーチンとなっている作業をロボットに代替させる。

RPAの主な機能

1.作業手順の記録・作成

自動化したい業務の作業手順(=シナリオ)を作成する、記録する。

2.作業手順実行

ロボットにシナリオを実行させる。

3.管理共有

ロボットやシナリオを管理する。シナリオを複数の人で共有したり、ロボットがシナリオを実行する時間を管理する。

RPAの主な種類

サーバー型RPA

個々のロボットをサーバーで集中管理します。ロボットやシナリオの管理が可能です。導入コストが高くなるケースもあります。

  • PCが起動していなくても動作可能
  • サーバーで集中管理

クラウド型RPA

サーバーなどのインフラを用意する必要がありません。そのままでは社内ネットワークにあるシステムの作業を実行できません。(VPN等を利用すれば実行可能)

  • サーバー不要
  • 社内ネットワークにあるシステムの作業については、VPN等の対応が必要

デスクトップ型RPA

個々のロボットをクライアントPC上で動作させます。ユーザはシナリオを自由に作成できます。

  • サーバー不要
  • クライアントPCでロボットを実行できる

以前のRPAはデスクトップ型とサーバー型の2種類でしたが、2018年頃からクラウド型の製品も登場しています。クラウド型の場合、自社でサーバーを用意する必要がありません。クラウド型は最近のトレンドで、もともとサーバー型の製品を提供している大手RPAベンダーからもクラウド型の新製品が相次いで発表されています。

RPAの3つの種類と特長比較

項目

サーバー型

クラウド型

デスクトップ型

動作環境

自社サーバー内

クラウドサーバー上

個別PC上

対象企業規模

大企業・全社展開

中小企業〜大企業

小規模・部門単位

初期費用

数百万円〜数千万円

10万円〜50万円

数万円〜

月額費用

数十万円〜

数万円〜

数千円〜数万円

導入期間

数ヶ月

数日〜数週間

即日〜数日

管理方法

IT統括部門による集中管理

クラウド上で一元管理

ユーザー部門で個別管理

同時実行可能ロボット数

100体以上

制限あり(プランによる)

1〜数体

セキュリティ

自社基準で高度設定可能

ベンダー依存

PC依存

カスタマイズ性

高い

中程度

低い

対象業務範囲

全社横断・基幹システム連携

Webブラウザ・クラウドサービス中心

個人・部門レベル

拡張性

非常に高い

中程度

低い

サーバー型RPAの推奨ツール

1. UiPath

  • 特長:世界シェアNo.1、豊富な機能と高い拡張性
  • 適用場面:大規模企業の全社展開、基幹システム連携
  • 料金:月額420ドル〜(Proプラン)

2. BizRobo!

  • 特長:国産ツール、日本語サポート充実
  • 適用場面:日本企業の業務慣行に最適化
  • 料金:要問い合わせ

3. Blue Prism

  • 特長:エンタープライズ向け、高いセキュリティとガバナンス
  • 適用場面:金融機関、大企業の厳格な管理が必要な環境
  • 料金:要問い合わせ

クラウド型RPAの推奨ツール

1. Coopel

  • 特長:低コストで導入しやすい、直感的な操作画面
  • 適用場面:中小企業のスモールスタート
  • 料金:要問い合わせ(30日間無料トライアルあり)

2. クラウドBOT

  • 特長:仮想ブラウザでの操作記録、簡単なタスク作成
  • 適用場面:Webベースの定型作業自動化
  • 料金:要問い合わせ

3. Automation Anywhere(A2019)

  • 特長:AI機能搭載、クラウドネイティブ
  • 適用場面:AI活用による高度な自動化
  • 料金:要問い合わせ

デスクトップ型RPAの推奨ツール

1. WinActor

  • 特長:国産ツール、Windows環境に特化、画像認識技術
  • 適用場面:個人・部門レベルの業務自動化
  • 料金:年額約90万円

2. Power Automate Desktop

  • 特長:Microsoft製品との高い親和性、比較的低価格
  • 適用場面:Office365環境での作業自動化
  • 料金:Microsoft 365ライセンスに含まれる

3. Robo-Pat DX

  • 特長:ノーコードでの開発、充実したサポート体制
  • 適用場面:非エンジニアによる現場主導の自動化
  • 料金:月額12万円〜

RPAツールの選定方法

RPAを成功に導くためには、自社に最適なツールを選択することが最も重要です。市場には多数のRPAツールが存在するため、体系的なアプローチで選定を進める必要があります。

選定前の準備:自社の現状把握

1. 自動化対象業務の明確化

まず、RPA導入で何を実現したいかを明確にしましょう。RPAに適した業務は「決まった手順が明確に決まっている作業」「大量のデータを繰り返し処理する作業」「ルールに沿って毎回同じ作業をする業務」です。

RPA化に適した業務の特徴

  • 定型的で繰り返し発生する作業
  • 大量のデータ処理が必要な業務
  • 手順やルールが明確に定義されている作業
  • 複数のシステム間でのデータ転記作業
  • 人的ミスが発生しやすい入力業務

2. 導入規模と運用体制の検討

自動化したい業務の規模や運用スタイルを考慮して、適切なRPAの種類を決定します。

組織体制による分類

RPAツール選定では、「誰がロボットに動作させるシナリオを作るのか」「ロボットやシナリオの管理方法」を明確にすることが重要です。

BPR・投資型 集中管理型 EUC型 ロボットやシナリオの管理

IT統括部門

IT統括部門

ユーザー部門

シナリオ作成

ユーザー部門

シナリオ利用

ユーザー部門

RPAツール選定の重要ポイント

1. 導入目的と適用範囲の明確化

RPAツール製品には用途や規模別にさまざまな種類があるため、適切な製品導入には目的の明確化が重要です。

検討すべき要素

  • 自動化したい業務の種類と複雑さ
  • 処理するデータ量と頻度
  • 他システムとの連携要件
  • セキュリティ要件のレベル
  • 将来的な拡張予定

2. 組織のITリテラシーとの適合性

現場担当者のITリテラシーを把握したうえで、実際に操作・運用する社員が無理なく使えるツールを選ぶことが導入成功のポイントです。

スキルレベル別推奨ツール

  • 初心者レベル:ノーコード・画像認識型デスクトップRPA
  • 中級者レベル:設定型クラウドRPA
  • 上級者レベル:プログラマブル・サーバー型RPA

3. システム連携と技術要件

RPAはさまざまな業務系システムと連携させることで、導入効果を発揮します。そのため、比較検討の際は、自動化したい業務にかかわるシステムとの適合性をチェックしておく必要があります。

確認すべき技術要件

  • 既存システムとの連携可能性
  • 使用しているアプリケーション対応状況
  • セキュリティポリシーとの整合性
  • クラウド・オンプレミス環境への対応

具体的な選定プロセス

ステップ1:RPAの種類による絞り込み

多くのRPAツールを効率的に絞り込むためには、最初にRPAを種類別に分類し、自社のニーズに合ったタイプを絞って検討する方法がおすすめです。

分類軸による絞り込み

  1. 導入形態:デスクトップ型 vs サーバー型 vs クラウド型
  2. 認識方式:画像認識 vs 座標認識 vs オブジェクト認識
  3. 専門性:汎用型 vs 特化型(業界・業務特化)

ステップ2:評価基準の設定と比較

ツール選定の際には、評価基準を明確に設定することが効果的です。

主要評価項目

  • 機能面:自動化可能な業務範囲、連携可能システム
  • 費用面:初期費用、ランニングコスト、ROI
  • 運用面:操作の簡易性、保守・管理の負荷
  • サポート面:導入支援、技術サポート、教育体制
  • 将来性:拡張性、アップデート頻度、ベンダー安定性

ステップ3:PoC(概念実証)の実施

多くのRPAベンダーではトライアル用に一定期間無償で利用できるライセンスを提供していますので、それを活用して主要な社内システムで動作検証するのがよいでしょう。

PoC実施のポイント

  • 実際の業務環境での動作確認
  • 想定する自動化シナリオでの性能テスト
  • 運用担当者による操作性評価
  • エラー発生時の対応方法確認
  • サポート体制の実体験

選定後の重要な検討事項

1. 運用・保守体制の構築

RPAは導入して終わりではありません。導入後には、RPAロボットのエラー対応や業務プロセス変更時のメンテナンス、社内システムや基幹システムのアップデートに伴う調整作業など、運用・保守の負荷が発生します。

運用体制で決めるべき項目

  • ロボットの開発・管理責任者
  • エラー対応の手順と責任者
  • 定期メンテナンスのスケジュール
  • 業務変更時の影響調査・対応方法

2. 費用対効果の継続的な測定

RPAの運用を安定して続けるために、費用対効果を提示できるかは重要なポイントです。

測定すべき指標

  • 定量効果:作業時間削減、人件費削減、エラー減少率
  • 定性効果:従業員満足度向上、コア業務への集中度
  • 総コスト:ライセンス費用、運用人件費、メンテナンス費用