プログラミングにおいて変数とは、数値や文字列などの値を一時的に保存しておくことができるものです。
たとえば、数値「1」を変数名「a」に入れたいとします。
プログラミングでは、通常以下のように記述します。
「=」は等しいという意味ではなく、左辺の変数「a」に右辺の値「1」を入れることを意味します。変数に値を入れることを「代入」といいます。
変数は数値や文字列を代入する以外に、ほかの変数から利用することができます。
たとえば、以下のように変数aと変数bを用意し、変数cで計算に利用することができます。
a = 1 ←① b = 2 ←② c = a + b ←③ |
①変数aには「1」が入っている状態です。
②変数bには「2」が入っている状態です。
③変数cには「変数a + 変数b」、つまり「1 + 2」の計算結果「3」が代入されます。
変数aと変数bの値を変更すれば、変数cの値も変更されます。
このように変数は、一時的に値を保存しておくことができ、その値はあとからいつでも取り出して使用できるという特徴があります。
Coopelでは、プログラミングのように変数をわざわざ用意する必要はありません。
シナリオを実行すると、アクション自体に実行した結果の値が保持されるようになっています。
つまり、アクションの実行自体が変数に値を入れて保管すること(変数の定義)と一体の動作になります。
Coopelでは、アクションに保管されている値を、変数と同じようにほかのアクションで使うときに取り出すことができます。
この、ほかのアクションの実行結果の値を取り出すことをCoopelでは「参照」といいます。
前述した変数の計算例(c = a + b)がCoopelではどのような計算になるのかを見てみましょう。
①と②は参照される側(変数aと変数bに該当する)のアクションで、③は参照する側(変数cに該当する)のアクションとなります。
まず、参照される側のアクション①②の[文字列]にそれぞれ数字を設定します。
これで、「① = 1」、「② = 2」と同じ意味になりました。
次に、参照する側の[計算をする(変数cに該当)]アクション(③)の左辺に[任意の文字列を生成(変数aに該当)](①)を参照設定します。
右辺には[任意の文字列を生成(変数bに該当)](②)を参照設定します。
最後に[演算子]プロパティと[端数の扱い]プロパティを設定します。
こうすることで、「③ = ① + ②」というシナリオができます。
このシナリオを実行し、[計算をする]アクションの実行結果を確認すると、左辺に「1」、右辺に「2」が入り、足し算した結果が「3」になっていることが確認できます。
■[計算をする]アクションの実行結果ウィンドウ
このように、Coopelでは実行後のアクションの値を持ち続けるため、ほかのアクションから参照することで変数と同じような使いかたができます。
変数を身近な操作にたとえると、コピー&ペーストが同じ役割をしているといえます。あとから使う情報はコピーして一時保管しておかないと、使うときに取り出してペーストすることができません。
Coopelも同様に、アクションを実行した値を保管しておくことによって、別のアクションから使いたいときに参照できるようになります。