コラム
「もうRPAいらないんじゃない?ChatGPTで十分でしょ」
そんな疑問に真正面から切り込みました。
本記事では、弊社の橋本と春日の対談をダイジェストでお届けします。ぜひ本編の対談動画も併せてご覧ください。

橋本:今日は「AIエージェントの出現でRPAは死んだのか?」という刺激的なテーマで、うちのAIアドバイザーの春日さんと話していきます。
春日:新卒から「マシンラーニングとAI」の分野でさまざまなプロダクトを開発してきましたので、その知見をもとにお話しできればと思っています!
橋本:「RPAはオワコン」というのが巷で囁かれていますよね。実際はどうなのか、春日さんに伺いたいです。
春日:まずAIエージェントについて説明します。 AIエージェントとは、自然言語での入力をもとに、様々なツールを自律的に操作できるものです。LLM(Large Language Model/大規模言語モデル)が自然文に対して自然文で応答する、いわば会話ベースのチャットをイメージすればよいのに対し、AIエージェントは一つの自然言語による抽象的な入力をきっかけに、様々なツールと連携できます。
橋本:対してRPAは、人間が作成したシナリオを確実に実行できるツールです。
AIエージェントは「色んな指示を上手くやってくれる柔軟な秘書」、RPAは「実直で絶対に間違わない事務のエキスパート」というイメージなのかな。
春日:そうです。AIエージェントで100%の動作保証を持たせるのは難しいですが、RPAはルールベースのシナリオに基づき、確実に実行されます。
つまり、「柔軟だが動作保証が100%ではないAIエージェント」か「ルールベースに100%実行保障がされるRPAか」という違いが根本的なポイントです。

橋本:僕自身も最近はGoogle検索よりもChatGPTに聞くことが多くて、「もうRPAは必要ないのでは?」と考えるのも自然だと思うのですが、どう思いますか?
春日:同感です。特に最近はChatGPTエージェントのようなものが登場して、シンプルなシナリオであれば、RPAを使わなくても、ChatGPTとGoogle Workspaceの連携だけでかなりのことが実現できてしまいます。 RPAで対応していた業務シナリオのうち、5割くらいはAIエージェントに置き換わってもおかしくはないですよね。
橋本: 確かに、実際に5割以上の業務がAIエージェントに置き換わっていくような印象を持っています。しかし、AIエージェントだけでは越えられない壁もあると思います。そのあたりはどうでしょうか?
春日: はい、実際に壁があります。例えば、セキュリティの問題ですね。
AIエージェントに業務を自動化させるとしても、IDやパスワードなどの重要情報をそのまま預ける人はいないですよね。特に業務で扱う情報は漏れてはいけないものが多く、RPA上(Coopel)ではそれを「シナリオアカウント」にしっかりと保存しています。ブラウザから基幹システムにログインするのは、現状のAIエージェントだけでは難しいです。
実は、AIエージェントが使っている中身の言語モデルは一緒で、グローバルスタンダードなモデルです。これらは非常に高いリーズニング能力を持っていますが、一方でセキュリティの観点から、IDやパスワードなどの情報は投げられないという制約もあります。「独自のプライベートのLLMにするとセキュリティは強いが、リーズニング能力が落ちる」というトレードオフが存在します。
橋本: API関連の壁も色々ありましたよね?
春日:そうですね。SaaSのツールがAPIに既に多岐にわたって連携されてるのであれば、APIをラッパーする形でMCPサーバーは簡単に作れます。なので、APIサーバーが提供されているSaaSが全て提供されていれば、エージェントインターフェースとしてあらゆるツールで操作できるはず。でも、実際はそううまくいきませんよね。
橋本:例えば、Salesforceのような大手SaaSがMCPサーバー化し、AIエージェントSalesforceも操作するという世界は見えています。でも、すべての企業がそんなふうにはできない。企業が昔から使っている独自開発の基幹システムや、特定業界向けのニッチなSaaSなどは、APIの整備が進んでいないケースが多いです。開発リソースの問題もあり、API対応そのものが難しいという現実があります。

春日:そこにこそCoopelの介在価値があるということですよね。ニッチなSaaSや業界特化型のSaaSなどが、MCPサーバーやAPIサーバーを作ると、当然メンテコストもかかるし難しいので、ブラウザログインのみのツールはかなりあるはず。そこをつなぐためのツールとして、AIエージェントがCoopelを手足のように使うというのは、非常に大きな価値だと思っています。

橋本:今から五年後、十年後、自動化の世界はどうなるのでしょうか?
春日: 皆さんが業務を自動化しようと思った時に、身近なChatGPTエージェントやChatGPT、Claudeなどのインターフェースにかなり集約されていくと思います。
橋本: 実際、今もGoogle検索よりChatGPTに聞く人が増えていますよね。
春日: そうですよね。入り口としてはGPTやClaudeに集約されていくと思っていて、そういうインターフェースからRPAのMCPサーバーのようなものを一つのツールとして呼べるようになるのがとても重要だと思っています。裏方に徹することによってエージェントの実行できる環境を非常に強化拡張できるわけですよね。そこに、Coopelとしての価値は大きくあります。

橋本: フロントのインターフェースをAIエージェントが担って、バックエンド側でCoopel(RPA)が裏方的に動くというイメージだと思います。そうすると、RPA市場は縮小してしまうのでは?という声も出そうですが、その点はどう見ていますか?
春日: 一見、「もうCoopelのインターフェースはいらないのでは?」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
確かに、皆さんが最も触れる機会が多いのは、ChatGPTのようなインターフェースになる可能性が高いです。しかし、そのインターフェースの入り口自体は今後どんどん増えていきます。今の時代は、Google検索・会計ソフト・Kintoneなど、別々に使っていますが、今後それらがエージェント型のものに集約されていくと、その市場自体は今後加速的に増えていく。その中で、実行の“手足”としてCoopelが必要だと気づくケースがあると思います。 Coopelは、エージェントが業務を実行するための重要な実行基盤としての役割を担っており、AIエージェント市場の拡大とともに、その価値もますます高まっていきます。結果として、Coopelのユーザーも今以上に増えていくでしょう。
橋本:RPAは、ややニッチな位置づけにはなっていくかもしれませんが、業務に必要な機能として今後も使われ続けるということで、AIエージェントで間口が広くなり、色々な人がRPAを使うようになると思います。

橋本: 今日のテーマ「AIエージェントの出現でRPAは死んだのか?」についてですが、RPAは死んだわけではなく、AIと共存しながら活躍の場を広げていくことで存在感はさらに高まると思います。
春日:今後、CoopelのようなRPAは、細かな部分をケアできるのが強みになります。AIエージェントと相互に補完し合うことで、より多くの業務を効率化していけると考えています。
皆さんのユーザー体験をご期待に応えられるよう努力してまいります。本日は長時間ご視聴いただき、ありがとうございました。
RPAはオワコンなのか?
その答えは、「RPAは死なない。むしろAIと組み合わせることで、より強力になる」でした。
「競争」ではなく「共創」することで、より強力な自動化環境を構築していきましょう。