導入事例 複数部門で並行して自動化プロジェクトを進行出来た秘訣とは?

株式会社メルカリ様

フリマアプリ「メルカリ」や、決済サービス「メルペイ」を運営する株式会社メルカリ。テックカンパニーである同社は、事業部門と比較してコーポレート部門のテック化が進んでいないと感じており、Coopelを採用したプロジェクト「RPAチャレンジ55」を実施しました。開始から1カ月半でCoopelにより自動化した作業は70個あまりと、短期間での大規模導入を成功させたこのプロジェクトについて、担当の皆様へ導入事例を中心にお話をお聞きしました。
今回のインタビューは、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、Web会議システムを使って実施しました。


お話を伺った方 Corporate Division (Director):笹倉さん
System Engineering(Manager):清川さん
Corporate Governance:小野さん

Coopel導入の背景

  • 事業部門に比べてコーポレート部門は手動でのルーティンワークへの対応が多く残っていた。
  • クラウドサービスの利用が多い環境に最適なRPAサービスを探していた。

Coopel導入後の効果

  • 30名以上が自身の業務を自動化することが出来た。
  • 結果として、一か月半で70以上の業務を自動化することに成功した。

コーポレート全体を「テック化」するためCoopelを広範囲で導入

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最初から広くユーザーを募って自動化を進行されたと聞きましたが、まずはどのような経緯で導入されたのか、教えてください。

笹倉 私たちメルカリはテックカンパニーをうたっておりますが、経理や広報、法務などといったコーポレート部門という観点で見ると、まだまだ先進的とはいえない状況でした。そこでメルカリを、コーポレート全体でテック化するため、RPAの導入を決めました。導入の理由は、もちろん業務効率改善という実利的な目的もありますが、コーポレート部門に集中しがちなルーティンワークを削減して、スタッフの負担を軽減し、よりワクワクするような業務に時間を使いたいというエモーショナルな部分も強くありました。

具体的には、どのようにプロジェクトを進行されたのでしょうか?

笹倉 導入にあたり、まず全体で55個の業務にRPAを導入しようと決め、各部署で導入数の目標を定めました。対象は経理や経営企画、ガバナンスチームやオフィス管理、IRやリーガルなどです。部署によってオペレーショナルな業務の量にばらつきがあるため平均的ではないものの、結果的に70個以上のシナリオ(ロボット)を作成し、運用しています。このプロジェクトは「RPAチャレンジ55」と名付け、企画開始から3カ月で達成しました。

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たくさんのRPAツールからCoopelを採用した理由を教えてください。

笹倉 きっかけはRPAツールの検討時に、IT部門清川さんの上長からCoopelを勧められたことです。

清川 メルカリの社内システムは、ほぼクラウドで構成されていることもあり、よくあるWindows向けのRPAツールとはマッチしないことが多いのですが、Coopelはクラウドサービスに強いRPAツールと聞き、では試してみよう、となりました。

笹倉 結果的にCoopelの導入は大成功といえます。後半は皆が独自にシナリオを作っているような状態で、開催したCoopelの勉強会にも自主的に参加してくれる程でした。

短期間で成し遂げられたCoopelによる多数の採用事例

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Coopelによって自動化された業務は数多く、そのジャンルも多岐にわたると思いますが、具体的にどのような業務に採用したのでしょうか?

小野 それではいくつかの具体例を紹介します。まず経理ですが、経費管理クラウドであるSAP Concurから毎月データをエクスポートし、それを加工する業務があり、これを自動化しました。 コロナの影響によって変化のあった業務にも早速適用しています。オフィスに出社しなくなったことにより、出社時の交通費精算を都度行うようになりました。そこで、この作業をSlack上でコマンドを入力することで、SAP Concurに反映するようにしました。一つのシナリオで多くのメンバーが楽に作業できるようになりました。 SAP Concurとの連携では他に、経理承認がどれくらい残っているか確認する作業も自動化しています。経費承認待ちの件数をCoopelで取得、Slackにそれを共有するといった手順です。

SAP関連でCoopelを活用されている事例は初めてお聞きしました!これもクラウドサービスに強いRPAならではですね。その他にどのような事例があるか教えていただけますか?

小野 Coopel はWebサイト上のデータ収集でも活躍しています。例えば株価情報を定期的に収集してスプレッドシートを更新する作業をCoopelで自動化しました。別の部署でも、Coopelで定期的に省庁のWebサイトを確認し、更新内容を取得してSlackに通知する業務に利用しています。 他にもパスワードリセットといった作業でも活用しています。社員が名刺を作成する時に、あるシステムにログインして行うのですが、このパスワードを忘れた場合の対応を、Coopelで行っています。パスワードリセットから、Slackでの通知まで全て自動化しました。 細かな、ちょっとした作業にも使っています。毎週定例のミーティングがあるのですが、このアジェンダのフォーマットをCoopelで自動作成しています。 他のサービスとの連携でいえば、kintoneでも自動化しているものがあります。社内稟議の申請や承認をkintoneを使って行っているのですが、以前は毎月上がってきた稟議をCSVで書き出して件数や金額の予実の差異をアナログでチェックしていました。この作業の一部をCoopelで自動化しました。

Coopelだからできた、短期間での大規模導入

とてもたくさんの、また多種多様な業務へのCoopel導入ですが、これを3カ月で実施したことが信じられません。どのように実現されたのか、教えてください。

笹倉 「RPAチャレンジ55」は、2020年の7月~9月、弊社の今年度第一四半期に実現しようと、6月の後半にコーポレート部門の重要プロジェクトとして決定しました。
小野 決定後、1カ月半ほど全体の設計や環境整備などを行い、ほぼすべての自動化シナリオはその後の1カ月半で作成、運用に至っています。Coopelを完全に使いこなすには、独学だけでは難しい個所もあったですが、質問するとすぐに返事をいただけるなど、Coopelのサポートにはかなり助けてもらいました。

また、先ほど申し上げた勉強会に参加した者は、その後自主的にツールを作成するようになりましたし、Coopelは全体を通して画面が分かりやすく、そして作りやすいため、未経験者でも触り始める障壁が低いと感じました。複雑なシナリオなど、自分だけでは分からなかった内容は、ハンズオンによって説明を受けると、理解して作成することができました。分かりやすい画面と素早い的確なサポートがあったからこそ、短期間で実務への導入と活用が実現できたのだと思います。

Coopelに対する今後の期待と要望

Coopel導入により、コーポレート全体のテック化は順調にスタートを切ったようにお見受けしましたが、Coopelの利用中、こんな機能が欲しいといった要望はありましたか?

清川 Coopelの機能はかなり洗練されていますが、1番欲しい機能はGmail対応です。弊社では、Google WorkplaceとSlackが業務のメインツールなため、Google DriveやスプレッドシートでCoopelを多く活用できています。しかしGmailとの連携ができない!これが実現できると、例えば請求書のメールから添付ファイルだけ取得したり、サブジェクトからメールを抽出して処理したりといった、さらに多くの自動化ができるなと思っています。今後の連携に期待しています!
(編集注:Gmail連携機能のリリースは、2020年中を予定しています。)

小野 1番最初に「Coopelでこんなことができる」といった事例があるとうれしいです。ハンズオンで説明されてよく理解できたので、そちらを資料化したものがあれば、今後もっと導入が進むのではと期待してます!
笹倉 私も同じような意見ですが、このツールで何ができるのかをリスト化した資料があると良いと思います。導入コストが大きく下がりそうです。

貴重なご意見ありがとうございます。それでは最後にCoopelに一言お願い致します!

笹倉 よりシナリオ作成難易度の高い、複雑な業務にも適応していたいと考えています。引き続きよろしくお願いします。
清川 Coopelは圧倒的に導入障壁が低いので、今後導入企業が増えること、日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進して頂けたらと、期待しています。
小野 私はCoopelというよりは運営の方に、いつも素早いサポートありがとうございます!
C.S._v7-6

まとめ

コーポレート全体のテック化のため、Coopelの導入を行ったメルカリでは、導入開始から1カ月半という短期間で、多数の部署で合計70個あまりの業務自動化を達成しました。その成功の背景には、使いやすく分かりやすいCoopelのUIと、迅速なサポート体制があるといいます。また、多くの導入事例には、SAP Concurといった基幹システムや、kintoneといった導入企業の多いクラウドサービスでの活用もあり、OSに依存せず、クラウドサービスに強いCoopelの強みが最大限に活かされていると感じました。Coopelによって成功を収めた、メルカリのコーポレート全体テック化プロジェクト。たくさんのお話をお聞きし、今後もCoopelとともに、さらなる自動化、効率化がなされると確信しました。