導入事例 毎月460時間のエンジニア工数を削減!求人広告運用ツールを支える、HR Force社のCoopel活用術

株式会社HR Force

「テクノロジーで“働く”を変えていく」をミッションに掲げ、採用活動をデータ活用で最適化する求人広告運用ツール「Recruiting Cloud(リクルーティングクラウド)」を提供する、株式会社HR Force。2022年8月には開設アカウント数が累計7,000件を突破し、主に中堅・中小企業の応募数や採用単価の大幅改善に貢献しています。

自社サービスの運営に積極的にデータを活用する同社では、データベースへのアクセスにかかっていたエンジニアの手間と時間に課題を感じており、RPAによる自動化で生産性の向上に取り組むことになりました。

Coopel導入で毎月合計460時間(2.875人月)の工数削減に成功した同社のCoopel活用事例について、導入ご担当者にお話を伺いました。

お話を伺った方 DXディビジョン 吉田 さん、堤 さん

Coopel導入の背景

データベースへアクセスするためのクエリ発行に、エンジニアの手間と時間がかかっていた
海外発のRPAは月額費用が高く、費用対効果の観点から導入を見送っていた

Coopel導入後の効果

データベースへのアクセスや周辺業務で、毎月460時間(2.875人月)の工数削減に成功した
浮いたリソースを求人広告の品質改善に充て、一部取り組みにおいて応募数が2倍に改善

求人広告運用ツールに必要なデータベースへのアクセスに、エンジニアの手間と時間がかかっていた

image

Coopelを導入する以前は、どのような課題があったのでしょうか。

吉田 弊社のサービス、Recruiting Cloudは企業の採用活動を成功に導くため、ビッグデータを活用していることが強みです。ただ、そのビッグデータを活用するにはデータベースへのアクセスが大量に発生し、クエリを発行するためにエンジニアの手間と時間がかかってしまうという課題があったのです。

 データベースへアクセスするたびに発生していた費用も課題でした。アクセスする度に費用が発生する従量課金モデルのため、何十億件ものデータ量が返ってくる作業が頻繁に発生すると膨大な費用がかさんでしまいます。そこでRPAによる自動化でデータベースへのアクセスそのものを削減したいと考えていました。

RPAに対して、以前はどのようなイメージをお持ちでしたか。

吉田 私自身、RPAは弊社が創業した2018年頃から注目していた技術でした。弊社では「テクノロジーで“働く”を変えていく」をビジョンとして掲げており、HRに関わる最新の技術やツールは常にリサーチしているのです。その一環で、採用活動における「わざわざ人がやらなくてもいい業務」を効率化できないかと考え、調査を進める中でRPAと出会いました。

しかし、2018年当時はまだ海外発のRPAが日本でも少しずつ知られ始めた頃で、技術的にもまだまだ発展途上でした。結局のところ、私たちがやりたいことに技術がまだ追いついていないという印象でしたね。

しかも、導入費用と月額費用がものすごく高く、これでは人を雇用したほうが安いなと感じた記憶があります。さまざまな企業にお話を伺って、調査をしていたのですが、結局やりたいことが難しいこととコストの観点から、導入を見送り続けてきました。

どのようなきっかけから、今回RPAの導入を再び検討し始めたのでしょうか。

 クライアント数と社員数、双方が急激に増えてきたタイミングで、改めてRPAの必要性を感じ始めました。具体的には、社員数が50名を超えてきた頃でしょうか。クライアント数の拡大とともに自社の採用を強化したことで社員数も増加し、、一人ひとりの生産性を改善することに課題を持っていました。

社員数が増えたことで優先度の低いタスクも倍々に増えていたため、これを機にRPAを導入して会社全体の生産性を改善することになりました。

ただ、今振り返ると、50名を超えた頃はすでにRPAを導入するタイミングとしては少々遅かったかもしれません……。社員数に関係なく、定常的な業務が増え始めた頃にRPAの導入を検討し始めてもよかったと感じています。

クラウド型であること、導入の手間と時間、サポート体制、そしてランニングコストが選定の基準

RPAの導入にあたって、どのような要素で比較検討されたのでしょうか。

 RPAの選定にあたって最も重要だった要素は、クラウド上でロボットを実行できることでした。弊社では、データベースへのアクセスにRPAを活用しようと考えていたため、サーバへアクセスするまでにセキュリティをクリアする必要があったのです。これがローカル上に構築されているRPA(デスクトップ型)だと、わざわざプライベートネットワークを構築する必要があり、技術的にも難易度が高いため、そもそもクラウド上に環境が構築されているRPAである必要がありました。

また、デスクトップ型のRPAの場合、休日や就業時間外といったPCが閉じている間はロボットが回らずに停止してしまうことも問題でした。というのも、転職したいと考えているユーザーは、就業時間中には求人に応募をしないからです。主に就業時間後、特に土日に求人を確認し、応募するケースが非常に多いため、土日のアクセスを分析することがビジネス上では非常に重要になります。

吉田 比較検討でさまざまなRPAを調査しましたが、クラウド型RPAの月額料金の方が割高になる傾向にありました。また、ローカル版とクラウド版、両方を提供しているRPAの場合でも、クラウド版の方が高かったのです。

費用以外には、導入にかかる手間と時間やサポート体制、どんな社員でも覚えやすいUIであることも、重要な比較検討の要素でした。

Coopelを導入する以前は、どのような課題があったのでしょうか。

吉田 「RPAは高額」というイメージを以前から持ち続けてきましたが、1アカウント税抜5,400円というCoopelの料金プランを知ったときは驚きました。わざわざ導入前に費用対効果を試算するまでもなく、まずは試してみる価値があると判断しています。

 クラウド型のRPAであるという条件をクリアしていただけでなく、使いやすく、分かりやすいUIも導入の後押しとなっています。簡単なUIであれば、社内への展開や後任への引き継ぎが楽になる、つまり教育コストを抑えられることが魅力ですね。

また、管理画面が少しでもエンジニア向けのデザインだと、RPAを初めて触るビジネスサイドの社員に抵抗感を持たれてしまいますが、Coopelはビジネス側の視点から開発されているなと感じています。

データベースへのアクセスだけでなく、CSVの編集やデータ収集、ツール連携にもCoopelを活用

image

Coopelの導入から、運用が軌道に乗るまでの流れをお聞かせください。

 まずはアカウントを作成し、操作感を把握するために運用テスト用のシナリオをいくつか作成しました。具体的には、簡単なWebスクレイピングが実行されるシナリオを組んでいます。

クラウド実行でも1週間ずっと回っているかを確認しただけでなく、より細かい数十分ごとの実行でもスケジューラーが問題なく機能するかを確認しました。弊社サービスでは、ユーザーからの問い合わせが不定期で発生するため、RPAは常に実行されている状態が望ましいためです。

すべての確認事項をクリアして検証が無事に終わり、データベースへのアクセス業務にCoopelを活用するプロジェクトに着手しました。

まずデータベースへ定期的にアクセスする動作を実行できることをCoopelで確認しています。その後、エラーに対するエラーハンドリングを含む複雑なシナリオを3週間ほどかけて構築しました。

Coopelの導入にあたって、どのようなサポートを受けましたか。

 一般的なシナリオをつくる際には、開発画面の問い合わせボタンからチャット形式でサポートしていただきました。チャットでやり取りできるのは、非常に便利だと感じましたね。

また、シナリオを組むときは、Coopelの公式サイトのFAQをよく参照していました。最新の開発状況については、リリースノートをよく確認するようにしています。

データベースへのアクセス以外に、どのような業務でCoopelを活用いただいていますか。

 弊社では、クライアントの求人情報を取り扱いやすいCSV形式で保管、編集しているため、このCSVの編集、加工にもCoopelを活用しています。小さいプロジェクトとしては、営業がお客様への提案時に使用するために、Web上からデータを収集するときにも活躍していますね。

吉田 あとはAPI連携できないツールとツール同士のデータ連携にも活用しています。API連携できていない場合、わざわざCSVをダウンロードして別のツールにアップロードするという手間が発生するのですが、CoopelのおかげでAPI連携していなくても、ツール同士を最大限活用することができています。

特に評価いただいている機能をお聞かせください。

 1つまたは複数のアクションを組み合わせてまとめられる、モジュール開発機能は特に高評価ですね。シナリオ内でよく使用する一連の処理をモジュール化することによって、別の似たシナリオを作成する際にモジュールを配置するだけで機能を実現できるため、シナリオを効率よく作成できるようになりました。

以前からコードを書く際にはRPAにおいても、細かくブレイクダウンして構築し、どのような自動化に対しても使えるよう、普遍的に組んでいきたいと考えていたため、このモジュール開発機能はまさに求めていた通りの機能です。

この機能によって、現在では1シナリオあたり20〜30分ほど作成時間を削減できたと考えています。1つのシナリオあたり、作成に1、2時間はどうしてもかかってしまうため、大幅な効率化となっています。

毎月460時間(2.875人月)の工数削減に成功!浮いたリソースは求人広告の品質改善に

Coopelの導入でどのような成果が得られましたか。

 最も大きな成果として、データベースへアクセスする業務だけで月360時間(2.25人月)相当の効率化を実現しました。また、CSVの連携やデータ収集といった周辺業務では、およそ100時間(0.625人月)を削減できている計算です。

浮いた時間はクライアントの求人広告の品質改善に充当することができています。求人広告は、媒体に合わせたキーワードを選定したり、広告バナーのデザインを工夫したりと、人にしかできないクリエイティブ要素が強いため、自動化ができない領域なのです。

結果として、以前と比べて求人品質が非常に向上しており、一部取り組みにおいては、平均して応募数が2倍にまで改善できました。

Coopelの導入で、社内にはどのような変化が起きましたか。

吉田 弊社はコンサルティング会社出身の社員も多く、業務フローを整えることが得意な社員がもともと多かったのですが、Coopelによって業務の自動化という武器が増えたことで、指数関数的に生産効率が改善されていると実感しています。

 以前よりもデータドリブンな意思決定ができるようになったと感じています。Coopel導入以前は上位権限者がデータベースにアクセスし、そのデータをチームに展開していくという体制だったため、チームメンバーはデータにアクセスできない時間が発生していたり、そもそもアクセスできないデータもあったのです。

しかしCoopelによって、社員であれば誰でも安全にクラウド上からデータベースにアクセスできるようになったことで、時間や手間をかけることなくデータ分析ができるようになりました。それによって、経営層から現場までみなデータドリブンな意思決定を下すことができるようになり、結果的にクライアントへの提供価値を向上させることができるようになりました。

「Coopelは『柔らかいRPA』」分かりやすく、親しみやすいデザインがポイント

image

今後のCoopel活用の展望を教えてください。

吉田 今後も業務効率化に活用しつつ、新入社員への教育としても活用していきたいと考えています。昨今、DXというワードが一般的になりましたが、Coopelという新しい技術で業務を自動化したという経験は、ビジネスサイドの社員にとってとても貴重なものです。また、シナリオを構築する経験は、ロジカルシンキングを鍛えるツールとしても最適です。

そのために私たちエンジニアも、今後積極的にCoopelを活用し、より社内へ浸透するように取り組んでいかねばと考えています。

今回の取り組みを振り返って、どのような企業にCoopelはおすすめできるでしょうか。

 非常にお得なコスト感だと思いますので、弊社のようなベンチャー企業にこそおすすめしたいですね。

特にベンチャー企業ですとエンジニア採用に困っていることが珍しくありません。たしかに海外発のRPAは、画面上の単語が難解だったり、コーディングのスキルが必要だったりと、エンジニア向けであることが多いです。

吉田 一方でCoopelは「柔らかいRPA」という印象を持っています。画面が見やすく、親しみやすい丸みのあるデザインです。この「柔らかいRPA」という単語は、ビジネスサイドの社員から出た感想の中から出てきました。

「まずは小さなところからでも自動化しよう」「そろそろ生産性の向上に取り組まねば」と考えていたら、まずはCoopelでその一歩を踏み出してはいかがでしょうか。

まとめ

エンジニアによるデータベースのアクセス業務に課題を感じていたことからスタートしたCoopelの導入でしたが、現在ではビジネスサイドの周辺業務の効率化にも取り組んでいるとのことです。エンジニアの方だけでなく、ビジネスサイドの方の活用の機会も増えており、今後もRPAによる自動化を社内、そして社外にも浸透させていきたいとお話しいただきました。

今回のHR Force様とのお取り組みでいただいたフィードバックや得られたノウハウを参考に、Coopelもより幅広い業務の自動化を支援するRPAを目指したいと考えています。